2012年3月16日金曜日

「手仕事」で夢をかなえる女性たち












私がデザイン全般を担当し、先月末で校了、そして今月刊行される書籍の紹介です。

ものづくりを生業にした24人の物語。
著者は塩沢槙さん、取材、撮影、執筆とされております。

この度の本もそうですが、この方の取材というか聞き出し(?)能力はすごい。
取材先にはおそらくいろんな方がいます。(私は行かないから想像ね)
思ったよりも口が重く、話がなかなかでない方もいらっしゃることでしょう。それを聞き出して行く…。

他の本でも感じた事ですが、塩沢さんの本は、店でも品でも単なる紹介本ではありません。
いつもテーマは「人」。
人生は物語だなーと。
それぞれ道は違えどもところどころ共感が。

【今回の使用用紙について】
本文は出版社側からの決定で日本製紙のb7ナチュラル。
写真の発色もよく、生成りぽい色で目に優しい感じ。
カバーと帯は既刊本の見本で良い感じがあったのでそれと同じに。
半透明な質感の王子製紙のOKブリザード。
これは元々包装紙でして巻き取りしかなかったのがオフセット印刷に向いた平判がでて書籍のカバーや宣伝フライヤーなどに使用されるようになったそうです。
(コノ紙について調査したときにどなたかのblogにそのように書かれてました。)
帯は特にその半透明感を感じることができました。

そして見返しなのですが、当初、カバーや帯と同じ用紙が候補になっており、
それで束見本まででていました。
これも総扉が透けて見えて上品でよかったのですが…。
この用紙、のり付け部分に「しわ」がでて返品に、というクレームがあったらしく、見返しにはちょっとと言うことで別の候補用紙を出すことにまりました。

この本はA5判です。見返しの無駄ない紙取りは菊Tです。
今そんなに皆さん気にしないで四六の紙をA5判の見返しでも使用してるのを見かけます。四六の方がどしても種類多いですから。
で、四六の紙も一応候補で探しましたが、「予算」の事を考えますと、紙取りが無駄ないほうがいいわけです。
実際の価格表までは知らないのですが高めの紙か安い紙か、比較表あたりはwebで拝見できます。
そしてだいたいの色や質感もweb見本帖で想像つきます。(本当は時間あったら取り寄せないといけないけど)

菊Tでそんなに高くなく、そしてなによりもこの書籍に合った雰囲気の質感と色の紙をすごくすごーく探しました。












で、この度決定したのが特種東海製紙の「わらがみ」でした。
わらがみ(稲)はわらの繊維が少し残してあって風合いのあるあたたかみを感じる紙です。
本のイメージに合っている、と思ったので選びました。












実は見返し候補に最初の方で同じメーカーのTANTセレクトもあがっていたので最初はこの実物見本帖を送っていただいたのですが、これは高いということで却下になり…。
「わらがみ」は取り寄せる時間がなく、というか、上記の件で言いにくく、web見本帖で決定しました。田舎でデザインをしてておまけに缶詰ででられない私にとってweb見本帖は本当に役にたちました。

今回の王子製紙、日本製紙、特種東海製紙、各社からそれぞれ見本を(すでに決定分も)取り寄せて、チェックしイメージしておりましたので、内容はもちろん、デザイン、そして、「紙」も良い感じに仕上がったと思います。

ここを読まれてます数少ない(?)皆様、書店で見かけたらお手にとって見てみてくださいね。